| ● 発行年月 | 2026年6月刊行 |
| ● 価格 | 定価 2,090円(税込) |
| ● 判型 | 四六判 |
| ● 装丁 | 並製 |
| ● ページ数 | 304ページ |
| ● ISBN | 978-4-86621-555-6 |
複雑な「モザイク国家」の解像度が上がる!
実は日本のことが大好きなイラン。その理由は朝ドラ「おしん」に?
◎規制と黙認
◎敵対と懐柔
◎スマートフォンと検閲
◎文明の誇りと搾取の屈辱
◎中に残る者と外に出た者
◎強固な信仰心としたたかなパロディ精神
日本のメディアでは語られない、イランとそこに生きる者のリアル!
イランとは、常に1つの事象に対して2つ以上の相反するストーリーが存在する複雑な国家だ。
その難解さには、
①国営放送をはじめとする徹底した情報統制と、それを司るイスラーム共和制という特異な国家体制
②多重的な構造を持つ「モザイク国家」
といった明確な理由がある。
つまり情報は政治の道具であり、真実は何層にも覆われた文脈の奥深くに隠される。
そして多様な民族が混在するため、国のアイデンティティを単一の物語で語れない。
対外姿勢も混迷を極める。
日本のメディアでイランが話題になるとき、
そのほとんどは周辺国、特に米国やイスラエルと衝突しているというニュースだ。
しかし、イラン国内にはユダヤ教徒が厳然として存在し続け、
ペルシア人とユダヤ人には2500年を超える共存の歴史がある。
こうした「矛盾」とも言える事象が随所に横たわっていることが、
この国の理解を一層難しくしている。
では、イランに生きる人々も、難解で複雑な国のイメージを体現しているのか。
答えは否、である。
悠久の歴史と数多くの世界遺産に誇りを持つ一方で、大国の論理によって領土を削られ、
資源を奪われてきた屈辱と怒りの念を抱いている点で、確かに難しい面も持ち合わせる。
しかし、特筆すべきはイラン国民の比類なき「おもてなしの心(メフマーンナヴァーズィー)」。
彼らは見知らぬ旅行者を温かく迎え入れ、親し気に寄り添ってくる。
また、体制による規制や検閲でがんじがらめになりながらも、
それをしたたかに搔いくぐり、自由のために声を上げ続ける。
何より、彼らは日本のことが大好きだ。
その意外な理由も本書で明確になる。
ややこしいからこそ惹かれてしまう、
中東の大国のリアルが詰まった一冊!
プロローグ
第1章 イランという国の素顔
第2章 世界はイランをどう見るか
第3章 イランから世界を見る
第4章 イランの中の外国文化
第5章 世界に散らばるイラン人――ディアスポラの肖像
第6章 イランから見た日本、日本から見たイラン
◉特別寄稿 「ニーハオ」の後に始まる物語
――インフルエンサー「イランの良さを伝える人・杉森健一