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| ● 発行年月 | 2002年9月刊行 |
| ● 価格 | 定価 1,540円(税込) |
| ● 判型 | 四六判 |
| ● 装丁 | 並製 |
| ● ページ数 | 287ページ |
| ● ISBN | 978-4-87290-136-8 |
まえがきより
貧乏でごめんなさい
思いを伝える手段として、人間は言葉を使います。奢ってもらいたいとき、なにかを分けて欲しいとき、その思いを、言葉として相手に投げかけます。時には、目で訴えることもあるでしょう。でもそれは、言葉の重要性を否定するものではありません。
本書には、貧乏という言葉の意味を真の貧乏人の手に取り戻すという大義が慎ましく綴られております。収入の少ないことを嘆くよりは空の青さに喜び暮らしたいとお考えの貴方ならば、きっと僕の唱える貧乏、お金は乏しくとも人間でありたいという最低限の願いに、共感していただけるものが見つけられるのではないかと考えております。
まあ、それがわからないと仰るのであれば、貧乏人の戯れ言としてお楽しみいただいても結構ですけれど、僕には僕の貧乏があり、そしてそんな貧乏を楽しんでいます。もし、他にも貧乏を楽しいと感じてくれる人が居たならばとても嬉しく感じるし、そんな嬉しさは、七輪でもうもうと煙らせながら焼いた秋刀魚に匹敵するくらいの旨い肴となってしまうのです。
さて、そんな本書は四章構成になっておりまして、各章は、いくつかのエッセー的実践貧乏術やら貧乏心得、貧乏人のある日常、といったようなもので構成されております。頭から順番に読んでいただくことはもちろん、列車やバスに揺られながら、とか、気の置けない喫茶店のいつもの席で、とか、就寝前の枕元、などでパラパラと好きなところをめくっていただいたとしても、それはそれでお楽しみ頂けるように仕立てました。
できるならば、蛍光灯などという白々しい灯りではなく裸電球、もしくはろうそくや月明かりのもとでお読みいただけたなら、より一層、本書に込められた貧乏という言葉の意味が、心に染み込んでいくのではないかと考える次第です。
貧乏という言葉に込められた思い、受け取っていただければ幸いです。
目次
平成一四年 生秋刀魚の値下がりを待ち望みながら
もくじ
1章 喰うことは生きること
土鍋で炊いたら驚いた
貧乏人こそ米を喰え
台所は食の発信源
小麦粉が生み出す豊かな食彩
晩酌考―酔えば極楽
魅惑の納豆にせまる
2章 遊びながら暮らすために
一〇〇円ショップの大罪
コンビニの光
ああ、憧れの無冷蔵庫生活
低額煙草に乗り換えよ
洗濯機の稼働率を下げよ
3章 我、田園に漂着す
貧乏長屋は田舎の味
貧乏人、東京へ行く
稲刈り
発掘!貧乏図書
4章 一億層貧乏時代を迎えて
貧乏礼賛―見いだされた力
さよならテレビジョン
本当に捨てるために
貧乏彩時記
庭の畑の大騒動
茶人に茶会を開かせたのである
ラジオの中の終戦記念日
秋刀魚七輪星見酒
秋を彩る栗御飯
新米の喜びを噛みしめる
柚子と煩悩
初めてのお歳暮に感嘆す
暮れ急ぐ街の記憶
寒を愉しむレッドの水割り
降りしきる雨に春の訪れを感じる
春の火鉢