書籍詳細 書籍詳細
  • ホーム
  • ビジネス
  • コンセプト・ワークス 正解があふれる時代の「自分ならでは」のつくりかた
  • 電子版あり

コンセプト・ワークス 正解があふれる時代の「自分ならでは」のつくりかた

電子版あり
コンセプト・ワークス 正解があふれる時代の「自分ならでは」のつくりかた コンセプト・ワークス 正解があふれる時代の「自分ならでは」のつくりかた
発行年月 2026年9月刊行
判型 A5判
装丁 並製
ページ数 210ページ
ISBN 978-4-86621-560-0
オンライン書店で購入

※電子書店はKindleでご購入いただけます。

内容紹介

「コンセプトを作って」と言われたが、どこから着手していいかわからない。
言葉自体は知っているが、なかなか正体がつかめない。
AIにお願いしたら“それっぽいもの”は出てきたが、本当にそれでいいのかがわからない。

その企画で、人を動かせますか?

地政学的な情勢不安。テクノロジーの指数関数的な進化。止まらない少子高齢化。社会が分け持てていた大枠の正解が、崩れつつあります。そこに輪をかけるように、AIが、多元化したそれぞれの正解に、すぐさま言葉をあてがってくれるようになりました。

「正解がない」のではなく、「正解があふれる」時代です。
そんな時代に問われるのが、「では、あなたはどうするの?」という問いです。

本書は、その問いに対してコンセプトを道具に、その会社、その商品、そして「自分ならでは」の答えをどう作り出すかをまとめた本です。

 

■ 手を動かせば形になる──6つの道具

「自分には素晴らしいアイデアがないから……」と身がまえる必要はありません。あなたが日頃感じている違和感や憤り、社会に対しての疑問。それこそがまさに、「ならでは」の源です。

本書は、家電製品のクイックスタートガイドのように、「とにかくここさえ押さえれば、あとはやりながら身体的に覚えられる」6つの道具を用意しました。「とらえなおす→見立てる→実装する」の3フェーズを、手を動かしながら進めていく構成です。各フェーズの終わりには振り返りのページを置きました。読むだけで終わらせないためです。

【フェーズa:とらえなおす】
・「なんか普通…」というレベルから抜けられない
①認知の拡張MAP──人の隠れた欲求(インサイト)と、業界の思い込み(バイアス)を見抜く
・そもそも何がしたいのかが、自分でも曖昧
②志の4象限──エゴにもトレンドにも流されない、目指すべきビジョンを描く

【フェーズb:見立てる】
・言いたいことはあるが、一文にならない
③コンセプト構文──バイアス、インサイト、ビジョンを一文に組み上げる
・できた気がするが、これでいいか確信がない
④BIV-Cモデル──バイアス/インサイト/ビジョン/コンセプトの構造を点検する

フェーズc:実装する
・コンセプトを真ん中に、その通りの企画にするために。
⑤コンセプト・マンダラ──コンセプトの全体像を俯瞰する
・決めたはずのコンセプトが、現場で無視される
⑥オン・コンセプト思考フレーム──ネーミングから現場の中身まで、ひとつながりに落とし込む

再現できるのは、手順です。出てくる答えは、あなたにしかなりません。

 

■ できあがったコンセプトは、企画に5つの作用をもたらす

「コンセプトとは何か」と問われて即答できる人は、案外少ないものです。無理に一言で定義しようとせず、具体的な企画への作用からとらえてみる。すると、この道具の正体が見えてきます。

①「コンパス」である(定まる)──進むべき方角を示し、「何をやらないか」をブレずに判断できる
②「ヒント」である(閃く)──アイデアを考える人にとっての発想のヒントであり、解くべき問いになる
③「らしさの源」である(際立つ)──足し算と引き算の両面から、ほかと異なる存在としての輪郭を際立たせる
④「指」である(集まる)──「この指止まれ」のように、お金・仲間・注目などの資本を惹きつける
⑤「エンジン」である(続く)──時代の変化に応じて柔軟にアレンジしながらも、企画が駆動し続ける原動力になる

存在は本質的。作用は多様。これが、コンセプトという道具の正体です。

 

■ 6人の実践者とたどる「コンセプトの現場」

実際にコンセプトの力を使い、「ならでは」を世の中に打ち出せている6人の実践者と、「コンセプトを見立てる感覚」をたどる対談を収めました。

・1人と1000万人の間に企画の大義を見出す
 これからの「コンテンツ」のコンセプト/神原一光(株式会社NHKエンタープライズ イノベーション戦略室シニア・プロデューサー)

「信じる心」と「続ける胆力」が、体重と想いの乗ったプロダクトを生み出す
 これからの「プロダクト」のコンセプト/小林百絵(DAYLILY共同創業者・CEO)

強いコンセプトは、新しい関係性をもたらす
 これからの「社会課題解決」のコンセプト/銅冶勇人(株式会社DOYA代表取締役社長、特定非営利活動法人CLOUDY代表理事)

自分を掘り切った先に、普遍性の地底湖を見つける
 これからの「組織」のコンセプト/長村禎庸(株式会社EVeM代表取締役)

「良質なカオス」から生まれる面白い仕事
 これからの「場」のコンセプト/小柴美保(MIRAI-INSTITUTE株式会社代表)

世界と自分を分断させないためにすべきことは何か?
 これからの「自分」のコンセプト/谷川嘉浩(哲学者、京都市立芸術大学美術学部デザイン科講師)

6人はまったく違うものを作っていました。けれど、その根っこには同じ問いがありました。思いだけでは空回りする。ニーズに応えるだけでは体重が乗らない。その両方を引き受けた上で、接続点を見つけること。

 

■ 推薦のことば

コンセプトというなんとなく使っている曖昧なものを、使える「道具」に変える本。その方法が詰め込まれています。それにしても、商品のコンセプト、チームのコンセプト、場のコンセプト、自分のコンセプト。コンセプトの応用範囲の広さに改めて驚きます。
コンセプトを制する者は、無敵かもしれない。大事なのはこの本が、「素敵なコンセプトを教えてくれる本」ではなく、「自分でコンセプトを作るための本」であること。
私はAIの研究をしていますが、AIの危険性の一つは、人間が思考をAIに委ねすぎてしまうことです。「AI時代、自分だけのコンセプトを自分でつくるという気概こそが大事だ!」というのが、著者の吉田さんが一番伝えたかったことかもしれないと思いました。
読みやすいソフトな語り口ですが、想いは熱く、そして、仕事と人生の役に立つ。お薦めです。
──クリエイティブディレクター 並河進

コンセプトを誰かの狂気に留めず、その作り方を構造化して手解きしてくれる本です。まさにコンセプトづくりの民主化。それでいて「体重が乗っているか」という問いが一貫して流れていて、この人間らしいナラティブこそAI時代にいっそう強くなるのだと感じました。コンセプトづくりはセンスだと思っている人にこそ読んでほしい一冊です。
──株式会社YOUTRUST 代表取締役社長 岩崎由夏

コンセプトが大事っていうのは、よくわかる。
でも、自分が作るわけではない。
そう思ってるかもしれないが、この本を読むと、
自分でコンセプトを作ってみたいとなるだろう。
──株式会社コルク代表/編集者 佐渡島庸平

 

■ 本書は、AIを敵視しません

著者自身、コンセプトを考えるプロセスでAIと共同関係を築きながら作業します。AIはコンセプト案を、言葉として瞬時に出してくれます。

ただ、コンセプトは単なる言葉ではありません。それが生み出されるプロセス、そしてそのプロセスの背景にある当事者の歴史、経験、価値観、違和感。それらすべてを総動員して、体重を乗せて生み出すものです。

なぜなら、コンセプトは言葉を策定して終わりではないからです。掲げ、そこで謳っていることを本当に続けられるかどうかにこそ、コンセプトの本質があります。体重を乗せられる人間だけが、続けることができる。

AIは、答えをいくらでも出します。決めるのは、あなたにしかできません。

目次

はじめに──正解があふれる時代のコンセプトの役割

第1章 コンセプトって結局なんなのか
一言では定義できないのがコンセプト/コンセプトは「コンパス」である/コンセプトは「ヒント」である/コンセプトは「らしさの源」である/コンセプトは「指」である/コンセプトは「エンジン」である/存在は本質的。作用は多様。/多すぎて、速すぎて、難しすぎる時代のコンセプトの意義/第1章まとめ

第2章 コンセプト・デザイン クイックスタートガイド
コンセプト・デザインの全体像/核となる「コンセプト構文」とは?/フェーズa:とらえなおす(①認知の拡張MAP/②志の4象限/振り返り)/フェーズb:見立てる(③コンセプト構文/④BIV-Cモデル/振り返り)/フェーズc:実装する(⑤コンセプト・マンダラ/⑥オン・コンセプト思考フレーム/振り返り)/クイックスタートガイドを終えて──コンセプト・デザインの全体をもう一度見わたす

第3章 コンセプトの現場
実践者6名との対談(神原一光/小林百絵/銅冶勇人/長村禎庸/小柴美保/谷川嘉浩)

おわりに──あなたの「ならでは」は、もうそこにある

著者紹介

吉田 将英(よしだ まさひで)

コンセプター/株式会社トオク 代表取締役CEO
慶應義塾大学法学部卒業。ADKを経て電通入社。シンクタンク、コンサルティング、クリエイティブの各部門を経験し、経営中枢にかかわるプロジェクトに従事。2026年、株式会社トオクを設立。「遠望と対話」を通じたコンセプトデザインで、法人や事業の関係性不全の解決に取り組む。創業期のスタートアップから東証プライム上場企業まで、業界を横断して伴走している。著書に『コンセプト・センス』(WAVE出版)、『アンテナ力』(三笠書房)。