● 発行年月 | 2025年7月刊行 |
● 価格 | 定価 1,980円(税込) |
● 判型 | A5判 |
● 装丁 | 並製 |
● ページ数 | 176ページ |
● ISBN | 978-4-86621-528-0 |
IT企業インフォコムは、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに安否確認システムを開発しました。
その後30年にわたって積み重ねてきた防災・危機管理のノウハウを、企業防災およびBCP(事業継続計画)として体系的にまとめたのが本書です。
企業の防災担当者はもちろん、経営層や総務、人事の方々にも役立つ、実務と経営をつなぐ実践的な一冊です。
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本書の特長
・実際の災害現場とIT開発の現場から得られた知見に基づく内容
・防災(クライシスマネジメント)とBCP(リスクマネジメント)の違いが明確にわかる
・初心者にも読みやすいストーリー構成と実例に基づく解説
・最新の技術や社会変化に対応したトピックを収録
・図解や手順で「読んで終わらない、防災に動ける」構成
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章構成(目次の解説)
序章
なぜIT企業が防災に取り組むのか
・阪神・淡路大震災を契機に、ITで人を救う道を模索
・安否確認システムの開発と普及
・企業防災とは何か、クライシスマネジメントとリスクマネジメントの基本を解説
第1章
会社を守るってどういうこと
・企業の存在意義と社会的責任(CSR)の再確認
・従業員の命と企業の存続は一体である
・自然災害、人為災害、特殊災害に分類して脅威を解説
・フェーズフリーの発想と備蓄品の日常活用
・外国人対応、精神的ケア、ジェンダー視点など多様性配慮の重要性
・働き方改革と防災が両立する組織づくりを提案
第2章
BCPって何
・BCPは復旧ではなく継続のための戦略
・BCとBCPの違い
・BIA(ビジネスインパクト分析)、RTO(目標復旧時間)の考え方
・BCP策定に必要な10の要素
・策定後の運用と見直しの重要性を解説
第3章
災害が起きた、その時どうするか
・事前、初動、復旧、事後の4フェーズに分けた対応
・現地対策本部と本社災害対策本部の役割と運用
・従業員の命が最優先であることを徹底
・具体的な行動マニュアルと判断基準の整理
第4章
企業防災、何からすべきか
・個人・家庭単位の備えから始める
・企業としての防災体制構築と法的整備
・ICS(インシデントコマンドシステム)の導入方法
・形式だけで終わらない訓練設計
・リモート本部や代替拠点の活用など、現代的な対応策を提示
第5章
企業防災力を上げる
・年間防災計画の立て方
・経営層、従業員それぞれに合わせた教育方法
・PDCAサイクルによる評価と改善
・ANAにおけるBCP事例の紹介
・東京大学の最先端防災教育に関する特別コラムを収録
第6章
企業防災の未来
・防災はコストではなく価値向上の投資であるという考え方
・AI、IoTなどテクノロジーの活用可能性を探る
・企業文化としての防災の浸透
・レジリエンス経営と一体化した持続可能な防災の実践を提案