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新版 焼かれる前に語れ 日本人の死因の不都合な事実

電子版あり
新版 焼かれる前に語れ 日本人の死因の不都合な事実 新版 焼かれる前に語れ 日本人の死因の不都合な事実
発行年月 2021年9月刊行
価格 定価 1,650円(税込)
判型 四六判
装丁 並製
ページ数 216ページ
ISBN 978-4-86621-369-9
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内容紹介

2007年の『焼かれる前に語れ』(小社)刊行から14年――。当時から多くの問題が露呈していた我が国の死因究明のあり方は、流れる月日とともに大きく改善されただろうか。
否、である。
国も警察も相変わらずこの問題から目を背け、ほとんど何もしないでいる。この間、我が国は東日本大震災という未曾有の災害にみまわれ、今は新型コロナウイルスという未知のウイルスの脅威にさらされている。国民一人ひとりが、否応なく「死」と向き合う日々を過ごしているのだ。
だがもし、その死因に信用が置けないとしたらあなたはどう思うだろうか。自身や身内、あるいはニュースで見聞きする事件や事故の遺体が、どのような扱いを受け、処理をされるのか知っているだろうか。
日本の変死体解剖率は、先進国の中でも最低レベルだ。コロナウイルスによって亡くなったのに因果関係の証明もなく違う死因にされているかもしれない。殺されたのに自殺とされているかもしれない。本当の死因は解剖しなければ永遠にわからないままだ。
医療先進国と言われる日本の驚くほどずさんで脆弱なシステムについて、生命保険や損害賠償、また類似事件の再発防止など私たちの生活に関連しうる身近な問題が数多く潜んでいることについてもっと知ってほしい。 腰の重い国や警察組織に正面から向き合い、改善を訴え続けている司法解剖医が、声なき死体と今を生きる日本人のためにもう一度強く警鐘を鳴らす!

目次

序論に代えて 法医解剖は何のためにあるのか
まえがき

第1章…あまりにお粗末な「死因究明」の現状
第2章…本当の死因はどこに? ~千葉大学・CT検視への取り組み~
第3章…遺族の思い、法医学者の使命
第4章…見逃される保険金・薬毒物殺人
第5章…もの言えぬ乳幼児の死因解明と「法歯学」
第6章…さまざまな「死」を考察する
第7章…医療事故死はどう扱われていくのか
第8章…日本の「死因統計」は信用できるか

あとがき

著者紹介

岩瀬 博太郎(いわせ ひろたろう)

1967年、千葉県木更津市生まれ。解剖医、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授。
東京大学医学部医学科卒業。同大学法医学教室を経て2003年より現職。14年より東京大学大学院医学系研究科法医学教室教授併任、千葉大学附属法医学教育研究センター設立に伴いセンター長併任。主な著書に『焼かれる前に語れ 司法解剖医が聴いた、哀しき「遺体の声」』『法医学者、死者と語る 解剖室で聞く 異常死体、最期の声』(小社)、『死体は今日も泣いている 日本の「死因」はウソだらけ』(光文社新書)など。法医学ドラマやコミックの監修も務める。日本法医学会理事。

柳原 三佳(やなぎはら みか)

1963年、京都府京都市生まれ。ノンフィクション作家。
交通事故、死因究明、司法問題等をテーマに執筆。主な著書に『家族のもとへ、あなたを帰す 東日本大震災犠牲者約1万9000名、歯科医師たちの身元究明』(小社)、『開成をつくった男、佐野 鼎』『私は虐待していない 検証 揺さぶられっ子症候群』(講談社)など。児童向けノンフィクションに『柴犬マイちゃんへの手紙』『泥だらけのカルテ』(講談社)。『示談交渉人 裏ファイル』(共著、角川文庫)はTBS系でドラマシリーズ化、『巻子の言霊 愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語』(講談社)はNHKでドラマ化された。