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世紀末精神世界

世紀末精神世界 世紀末精神世界

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発行年月 1998年4月刊行
価格 定価 2,310円(税込)
判型 四六判
装丁 上製
ページ数 203ページ
ISBN 978-4-87290-024-8
目次

目次

第1章 「超」簡略版ユング心理学入門

1 無意識は世界という舞台の楽屋裏
・意識の外部
・集合的無意識とはなにか?
・ユング心理学はあくまで個人の心にアクセスする

2 夢は無意識への通路
・夢分析とは何をすることか
・意識と無意識の関係
・心についての普遍的な知

第2章 精神世界の世紀末
1 「カルト資本主義」と日本の現実
・表通りに戻ってきたオカルト
・『カルト資本主義』に見るビジネス・オカルトの世界
・神秘主義の言葉が持つ説得力
・カルト資本主義は現代人の退行現象である

2 「終わりなき日常」という終末論
・冷え切った灰色の世界
・「徹底した明晰さ」の超管理主義思想
・「新しいイノセンス」はグノーシス主義か?
・思いやりについて

3 「もののけ」化する世紀末
・「カルト資本主義」の願望思考と「終わりなき日常」の現実認識
・現実と「私」との関係
・もののけと付き合おう
・もののけとの接触は新しいチャンス

第3章 神に憑かれた少年たち
1 生首の意味 酒鬼薔薇事件のメッセージ
・意識の心理学の限界
・すべては生首からはじまった
・学校と首
・「酒鬼薔薇」という名前
・透明な存在について
・風車のマークとナチス
・破壊神バモイドオキ
・魔物の目にはいったい何が見えていたのか「懲役13年」の世界

2 『エヴァンゲリオン』は現代の福音か
・謎の背後には無意識な過程が存在している
・内向的、自閉的アニメではない
・『エヴァンゲリオン』が内包する神=無意識の物語
・「人類補完計画」と「黙示録」
・『エヴァンゲリオン』に潜む無意識は世界を変容させる(かもしれない)

第4章 近代という病を癒すユング
1 近代の閉塞状況と幻想
・近代化とは世界を一元化することだった
・デーモン化した世界
・しかし人類は前に進むしかない

2 救いは危機の中にこそある
・人類意識化過程
・死の想念との格闘は無意識との折衝
・人類の最後のハードル

著者紹介

入江 良平(いりえ りょうへい)

一橋大学大学院修士課程社会学科研究所(社会心理学)修了。
専攻はユング心理学。現在、富山国際大学教授。
主な論文に、「ユングとトラウマ」、「ユングはフロイトからなにを学んだか」、「ユング的心理学療法」(以上、イマーゴ)、「元型論思考」(富山国際大学紀要)、「ユングのパルド・ソルド注解について」(ユリイカ)など。
訳書にヨナス『グノーシスの宗教』(秋山さち子との共訳、人文書院)、ポプケ『ユング心理学への招待』(青土社)他多数。
研究テーマは、心理学療法の臨床的実践の中に現れてくる象徴的イメージの研究。