3本の映画を連休中に観た。
まず『アーティスト』 長女が珍しく観たい映画があるというので、一緒に劇場に出掛けた。 作品賞はじめアカデミー賞を総なめにした話題の映画なので解説は不要だと思う。 サイレント映画の売れっ子男優の命をも救う忠犬アギーと、無名のエキストラから彼に才能を見い出され、一気にトーキーの人気女優となった若い女性の演技がとても愛らしい。 だが何より、彼が愛犬と「会話」し、彼に向かって生き生きと話す彼女の姿を、目を細めて見つめ温かに微笑むシーンは感動の涙なしでは見られなかった。 無声映画だからこそ、言葉ではなく表情で「愛する」とはこういうことなのだと教えてくれる。 「映画好き」「犬好き」の私を、もう限界までメロメロにしてくれた大傑作。 涙もろい私に「お父さん、また泣いてたね」と娘が言ったが、私の方も娘が同じシーンで泣いていたのを知っている。娘の心にも少しだけ近づけた貴重な時間だった。
そして『テルマエ・ロマエ』。 これは本当に文句なしに楽しかった。 原作者の発想の斬新さ、奇抜さに、映画化など不可能と思える原作マンガの世界を忠実に再現した監督のチャレンジ精神。ただただ驚嘆するしかなかった。 外国人を日本人が演じるという前代未聞の役を演じる阿部寛が本物の古代ローマ人に見えてきて、現代を生きる上戸彩との恋が、国や時空を超えるものに感じられるのだから、この映画はすご過ぎる!
最後に『音符と昆布』。 母親がいない、臭覚がない、という負い目にもめげず、頑張って生きている「料理家」の妹役、市川由衣のもとに突然やってきて住みついた池脇千鶴演じる姉は自閉症、アスペルガー。 「一人っ子のはずだった私に、こんな火星人のような姉がいたなんて」と呆れ苛っていた妹だが、姉との不思議な交流の中で、この世のすべてのものを受け入れようと自然体で変わっていく。 この二人の女性を淡々と描く井上春生監督の佳作は、映像と音楽とで、私という「寝た子を激しく揺り起こしてくれた。
大学卒業時に、出版にいくか、映画にいくか真剣に迷い、今も映画監督に羨望をもつ私は、「死ぬまでにしたい10のこと」の断トツに「自主製作映画を作ること」と太字で上書きしたアブナイ映画週間であった。
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